100円ショップ四強の“残存者利益”──セリアが描く飽和市場サバイバル

日本の100円ショップ業界は、数社による「寡占」にあります。全国の店舗数は合計で8,000店を超え、各社が出店を続ける一方、近年は収益性の低下傾向が見られ、市場が飽和状態に入りつつあると言えます。
成長期には競争が激化し、利益が削られがちなのが商売の宿命。反対に、成熟した市場では淘汰が進み、生き残った企業が「残存者利益」を享受できます。100円ショップ大手四強の一角であるセリアも、この飽和市場で勝ち残り、残存者利益を確実に獲得する戦略を描いています。
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セリアは、1985年に創業した岐阜県発祥の100円ショップチェーン。1997年に新潟県十日町市に1号店を出店して以来、全国に事業を拡大し、2003年に現社名「セリア」に改めました。ダイソーを筆頭とする競合が200円・300円といった高価格帯商品の展開を進める中、セリアは税込110円(税抜100円)の均一価格に特化。現在は直営約2,000店を展開するまでに成長しています。
どのようにしてセリアは、薄利多売の代表とも言える業態で底堅い収益力を維持しているのでしょうか。非常に潤沢な現金を有する「キャッシュリッチ」企業でもある同社の現在について、紹介します。