リスキリング市場を攻略――インソースに学ぶ「教育サービス」の新戦略

今回取り上げるインソースは、人材育成支援や人事戦略支援を通じて社会課題の解決に取り組む企業です。法人向けの研修サービスを軸に展開し、DX推進に必要な人材育成ニーズを的確に捉えて成長を続けています。
インソースは2024年9月期まで4期連続で過去最高の売上高・利益を達成。新規事業群である「ライジングネクスト」も順調に拡大し、営業利益率は40%に迫りました。
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同社が躍進した背景には、日本の社会人向け教育市場の構造変化があります。働き手のリスキリング(学び直し)や労働生産性向上、人的資本経営への注目が高まり、企業の研修ニーズは底堅く推移しています。コロナ禍から対面研修が回復基調にあることもあり、2022~2023年度の社会人教育市場規模は約3,200億円に達したと推計されています。
特筆すべきは、同社がDX人材育成分野に素早く対応したことです。早くからITリテラシー研修やデータ活用研修などのコンテンツ拡充に注力し、グループ企業としてインソースデジタルアカデミーを設立。IT基礎から応用まで幅広い研修ラインナップを提供する体制も整えました。三菱UFJ銀行に対して本部長級2,200名を対象としたDX研修「BASE」を共同実施するなど、大規模研修の受託実績も積み上げています。